最初に
ご存知のように、Porsche928はハイパワーFRスポーツ車です。
また、ATを標準として開発された車で、MTは希少です。
したがって、特にことわりの無い限り、ハイパワーFR・ATを前提とした記述です。
もちろん、一般の車にも共通します。(MT車についても記述はしています。)
ただ、928特有の現象・機能等もありますので、それらは「それ」とわかるように
記述いたします。
雪道になれていない方は、ご存知のところは読み飛ばしながら、スクロールバーで
一通り目を通されることをお勧めします。
なお、著者の車は、’90年式 928S4で、ABSとPSD(Porshe の 独自LSD)
が標準仕様で付いています。排気量4950cc 320psです。
これから述べる判断基準は私の経験による主観的なものです。
気温・湿度・気圧・風・太陽や月(これらの光が射しているかどうか)さらには、地理的条件・周囲の植生・周辺の建築物の影響など刻々と変化しつづける要素を定型化して簡潔に表現することは難しいからです。
同じ道路の同じ場所であっても時間が流れている限り同じ状況などありえません。
しかし、雪道や凍結路の走行経験の豊富なドライバーは、これらを総合的・経験的・直観的に把握し、ある種の定型化を行っているとも言えます。
「よくでる英単語」ならぬ、「良く出る状況とパターン」を体験的に記載したいと思います。
なお、これを読まれた方から、「ピンと来る」判断方法等があれば積極的に追加記載します。
ぜひ、情報をお寄せください。→メール
そこそこ冷えているとき(1℃以下)、道路の黒い部分はただ濡れているだけかもしれませんが、凍っているかもしれません。
特に、日中であれば日陰。月夜は月光の射している路面が凍りやすいことも知っておきましょう。
日中、気温が上がってきても朝方までに冷え込んだところは凍ったままです。
お日様が出てポカポカしてきても、日陰はつるつるなんてのは良くある話。気をつけましょう。
月夜については、「光があたっているのになぜ?」と思われるでしょうが、月の光は熱源としてはあまりにも弱く、影になっていない所は放射冷却がもろに起こるため、結果的には冷却効果の方が大きくなるためです。
放射冷却を甘く見てはいけません。気温と地表面の温度に大きな差が出てきます。気温はプラスでも、地表に霜がおり、濡れているところは凍ります。
「凍結の黒」良く見ると微妙な光の違いがあります。しかし、そこに到達する光との関係もあり文章で表現するのは難しく危険です。でも、上記のシチュエーションで路面の「黒」を見たら用心しましょう。
どちらも、甘味を想像しますが、見た目がこれらを連想することからこう呼ばれます。
実際ザラメとシャーベットは深いつながりがあり、シャーベット状になった雪が再結晶するとザラメ雪になります。平野部や山陰・北陸・新潟等の比較的重い雪の降る地域で良く見られます。
ベトベトのシャーベット状になっているときは、スピードを出しすぎてハイドロプレーニング状態にならないよう気をつければ冬タイヤの車ならそれほど危険ではありません。
冬タイヤを装着していない場合は、絶対に甘く見ないでください。
シーズン始めの事故多発は、ほとんどが冬タイヤ未装着のシャーベット状態で起こります。
視覚的にもやわらかいイメージの反射なので、経験をつむと、他の積雪とのちがいはわかりやすい方です。
通常の積雪に比べると面的な光の反射の印象や要素があるので参考になるかもしれません。
しかし、これがザラメに変化していくときが要注意です。ひどいときは路上にまんべんなく細かな氷の粒を撒いた状態になります。このような変化は夜に起こることが多いので、ヘッドライトに照らされた氷の粒のキラキラした反射は、注意してみればそれとわかります。遠目には鈍い光に見え、シャーベット状の雪と見分けのつかないことが多いのも特徴です。氷の上に水膜ができやすいため、大変スリップしやすいので警戒が必要です。
これがさらに冷えると、ザラメの固まった岩のような氷になります。岩よりは氷のほうが軽いのですが、ぶつかったときの破壊力やダメージはほぼ同等だと思って良いでしょう。
比較的気温の高いときに降る雪です。地上(路上)に積もるとシャーベット状または、半シャーベット状になります。積雪期の始めや、前項で述べた地域で多い雪です。これも凍るとザラメ状になります。
この雪質の積雪が多くなると、半シャーベット状の重い雪が車体各部にひっかかり、著しく抵抗が増えてタイヤが空転を始めます。また、あちこちに着雪しやすいのも特徴で、タイヤハウスに付着した雪は、シャーベット状だからといって放っておくと、気づいたときには凍っていてタイヤを削り始めたりします。
雪自体はとても柔らかく、見た目も反射する光も柔らかです。
このタイプの積雪のみであれば緊急時に突っ込んでも軽いダメージですみます。
しかし、積雪期の道路脇は除雪した雪の壁や、各種の雪質が混ざり合っており、その上に柔らかい雪が積もっていると外見上の見分けはつきません。そのようなところへ安易に突っ込むと大破します。
一口に圧雪と言っても、条件によって様々なものがあります。(冒頭に述べたとおりで当たり前です。)
適度に踏まれた雪は、スタッドレスが良く働きかなりグリップします。
このくらいだと、圧雪面には走行したタイヤの跡がかなりしっかり残っています。
但し、調子に乗ってスピードを出すと、圧雪面の凹凸が削がれ、一気にグリップを失うことがあるので危険です。
また、急ハンドル・急ブレーキ・急加速しないのは常識ですが、とりわけFRハイパワー車の急加速は厳禁です。
あっと言う間にスピンします。
しっかり踏みつけられ、通行車両が多く、気温がやや低めになると、圧雪面が磨かれ、白い鏡のようになります。
この面は、実際は圧雪の上に氷の薄い膜があり、状況によってはその上に水膜があるという、大変危険なものです。この「氷の薄い膜」の厚さや硬さが車種・車重・タイヤ種別ごとの滑りやすさを相当左右します。
かなり気温が低いのに、日差しがあるときや、おなじく、かなり気温が低い状態で交通量が多い場合にこのようになりやすいようです。(交通量が多いとタイヤの摩擦熱や車重による圧縮時の発熱で雪面が融け氷膜が形成されます。)
表面が滑らかで鏡のように反射するため、ヘッドライトや日差しのはね返りで判別しやすいのですが、時々、この上にふわふわの雪や粉雪が乗っていることがあるので、磨かれた圧雪があらわれたら、光っていないところも警戒する必要があります。
パウダー状圧雪とでもいうべき状態があります。
相当気温が低い時、粉雪が押し固められてこのようになります。
小麦粉や片栗粉を敷いたように見えますが、タイヤが走行熱で温まると、大変付着しやすく、雪どうしの間ででも滑るため結構厄介です。
また、このようなところを通過した後、乾燥路に出ても、しばらくは慎重に運転しないと、タイヤやタイヤハウス内に付着した滑りやすい雪がスリップを誘うこともあります。
粉雪は軽く、ちょっとした風にも舞いあがります。もちろん、車の走行風によっても舞いあがり、風紋を作るほどです。粉雪の舞う路面は、粉雪の下の状態が見分けにくく判断しにくいので、その地域になれていない人はとりわけ注意が必要です。
気温の低いときは、必ずといっていいくらい粉雪になります。
粉雪の下に氷結したミラーバーンがあるかもしれないし、磨かれた圧雪路かもしれません。
こころしておきたいのは、乾燥時の路面の凹凸がそのまま見えているときでも、粉雪の上を車が何台か通っていくことで凹凸そのままに極めて薄い氷が覆っていることのある点です。乾燥路より白すぎても黒すぎても要注意です。
もちろん、条件によってはそれでも見分けられないし、そういうことの方が多いのですが、白すぎ黒すぎはかなり明確なサインだということです。
また、粉雪も降雪量が多くなると当然積もるので、圧雪やパウダー状圧雪になります。(前項参照)
粉雪にも気温・湿度・上空の風等の条件によりさまざまなものがあります、ここにあげた以外に、さまざまな形態で走行中にあらわれることになります。
雪道には雪道タイヤ!常識中の常識です。
残念ながら、一部のドライバーにこの認識に欠ける方がおられます。残念です。
チェーンはある程度柔軟性を持った雪と路面に有効ですが、硬くしまったアイスバーンや踏みしめられた圧雪路面には驚くほど弱いときがあります。
雪道、特に圧雪・凍結路にはスタッドレスタイヤです。
逆に、深雪に対しては、スタッドレスよりチェーンが効力を発揮します。
スタッドレスタイヤにチェーン携行。これがベストです。
じゃ、928に履かせるタイヤとチェーンはどんなのが良いか?お答えしましょう。
スタッドレスは1サイズ落として、ホイールも一緒に用意を。
冬タイヤは性質上トレッドがごっつくできていて、夏タイヤと同一だとステアリングに影響が出ます。特に、積雪路走行時、巻き上げた雪がホイールハウス内に付着し、すぐに異音がします。
水分の多い積雪で、気温の低いときはこれが凍結してタイヤをすり減らすことすらあります。1サイズ落とすのが賢明です。純正でもそのような設定になっています。
ホイールは一緒に調達しないと、履き替えができません。タイヤをはめ変えるのは、タイヤの最も弱い部分の傷みを加速し、ちょっとした作業ミスがタイヤをボロボロにするのでお勧めできません。リムサイドが致命的に傷みます。
高いです。フロント215・リア235で15万!安売り店でも10万は軽くいくぞぉ(^^;
しかし、タイヤ専門安売り量販店でうまく交渉すれば、9万位になる場合もあります。
あまり無いサイズなので、高い!16インチはほとんど無いので、17インチでようやく。
ホイールは928適合の外品で新品12万くらいから、専門店やヤフオクで中古を探すのも方法です。
細い合金製チェーンがベストです。
ゴム・樹脂製のチェーンは凍結路の効きが悪いだけでなく、ほとんどが装着できません。
いかにも効きそうなスパイクが付けてありますが、×。
ホイールハウスとのマージンの問題もありますが、細い合金製チェーンは凍結路でも他のチェーンより効果的です。
なお、チェーン購入後、必ずタイヤに装着して調整しておいてください。
スタッドレスに装着する場合は、当然スタッドレスタイヤで調整してください。
さもないと、降雪時に最悪の環境で、周囲に迷惑をかけながらの調整になります。
さらにその時調整工具がなかったりすると、装着を断念せざるを得なかったり、装着しても車体やブレーキ廻り、足回りにダメージを与えながら走行することになり、大変危険です。
シートにゆったり座ってドライブ・・・というシチュエーションではありませんね。
雪道には雪道のドライビングポジションがあります。
上半身は直立に近く。
ハンドル操作のしやすい範囲で、ハンドルに近いポジション。
(つまり、いつもよりシートは少し前めにとります。)
せっかくポルシェの中でも着座位置の優れた928なのに、なんで?
その気持ち、わかりますが、乾燥路のロングドライブじゃありません。
より早く目からの情報を得ること。
より早く正確なハンドリングをすること。
より早く正確なブレーキングができること。
着座位置と姿勢は、これらに大きな影響をあたえるからです。
雪道では、素早い危険の発見と、迅速で正確な回避行動が必要です。
そのためにも、シートポジション、見なおしてみましょう。
AT車の発進は「クリープ現象」を利用する。これは常識ですね。
「クリープ現象」は、AT車でアクセルを踏まなくてもブレーキを開放するとゆっくり動き出す現象のことです。
でも、ミラーバーンや、踏み固められ磨かれた圧雪のわずかな凹凸では928の太いトルクが「災い」することがあります。
そのままブレーキから足を離すと、いきなり空転をはじめます。ブレーキからゆっくり慎重に足を離すようにしましょう。フットブレーキのデリケートな操作が苦手なうちは、ハンドブレーキを上手に使った方が得策です。
ところが、上り坂や凹凸路面では「クリープ現象」が起きないことが多いのです。
当然アクセルを踏むことになりますが、これが問題です。
アクセルペダルの重い928は、慎重にゆっくり踏めば、以外にコントロールしやすいのですが、動き出した後の加速は「ひたすらガマン」し、タイヤのグリップ感覚を確認しながら少しずつ。さもないと空転や横向き、グラマーな928の「尻フリダンス」を披露する事になります。
なお、90年式以降の928はPSD(ポルシェ社の総合的LSDシステム)が標準装備されているため、駆動輪の片滑りは自動的に抑えられますが、これより前の年式の928は雪上で片側が激しく空転して進まないことが頻発すると思われます。こうなると発進だけでなく、走行時の制御も難しいことになります。
したがって、89年式以前の928で積雪・凍結路を走るのは相当難しくなると思います。
残念ながら928のMTは乗ったことがありません。
以前持っていたFRランサーターボとFRキャラバン、現在所有の928S4(左ハンドルAT)の経験をもとに書いています。(バス等も運転しますが・・・。)
MT車の場合は、もっと難しいことになります。
AT車とは違い、低回転でうかつにアクセルを操作すると簡単にエンストを起こすからです。
トルクの太い928は低回転でもMTによりダイレクトにタイヤに力を伝えますので、日本車のFR・MTよりはるかに操縦は難しいと思います。
一般的なことになりますが、いつもより1段高めのギヤで、クラッチを慎重にゆっくりつなぎながらアクセルをコントロールしましょう。
なお、トルクの太い車は、クラッチが半クラッチになった瞬間に予想した以上の力がタイヤに伝わってしまうことがあります。エンジン音を良く聞いて、アクセルとクラッチの両方をうまく操作してください。また、半クラッチ状態からしっかり繋がった状態に移行すると、一時的に半クラッチで伝わっていた力が急減し、エンストすることがあります。これも音を良く聞いて変化に合わせてアクセルを踏みます。
平地以外では、ハンドブレーキと平行して操作しましょう。
さもないと、あなたの928はタイヤに力が伝わる前に(半クラッチ直前がアブナイ)上り坂だと、後ろの車に、下り坂だと前の車にキスをしたがる、節操のない928になります。
停止
止まりたいのに止まれない!これほど怖いことはありませんが・・・、はっきり言います。
雪道では、頻発します。 「雪道を走る=止まれない道を走ること」と思ってください。
ただ、「止まれない」にも条件と状況によって大きな差があります。
この「条件と状況」に適した「操作」を体験的に知ることで、「雪国」と呼ばれる地域の人は「必要に迫られて」条件の悪い道を運転しているのです。
特にこの項目で「自分には適性が無いな・・・」とか、「そんなことめんどくさい!」と思う人で、特に必要に迫られて雪道を走らなくて良く、頻繁に雪道に直面しない人は、自粛していただくのが懸命です。
自分の車が制御不能になることで、周囲の車をさらに避けがたい危険にさらすことになるからです。
雪道初心者の方は、この項目を読まれる際、「雪質の判断」の項目を事前に読み、さらにこの項目を読んでからもう一度読んでみてください。
「雪質の判断ミス」←「即事故」 限りなく近い関係です。
冷静になることです。
事故になっていない限り、まだ危険を避ける方法がある。ベストを尽くすことです。
ブレーキはペダルの「遊び」で操作する感覚!
急ブレーキは禁物!そんなことは誰だって知っています。じゃ、「その時」どうする?
感覚的な表現で申し訳ありませんが。ブレーキの「遊び」+αでブレーキングです。
928にはほとんど標準でABSがついていますが、この感覚をつかめば確実にABSより短距離で停止できます。
このように操作してもABSは時折「ギィ〜ッ」と働きますが、前方に危険の無いところで試すと、力いっぱい踏んでABS任せよりは予想以上の差が出ます。あきらめないことです。
エンジンブレーキは有効につかいましょう。よほどのことが無い限りDレンジ→3レンジは有効で、ほどよいエンブレになります。
2レンジは、習熟された方には良いのですが、車速やブレーキング等との関係で、2速から1速へ勝手にシフトダウンしてしまうことがあるので、初心者は使わないほうが賢明です。ちなみに、エンブレで車輪がロックした場合にABSは働きません(当たり前ですね。)
ブレーキ操作に自身の無い人、練習の機会の無い人は「踏み込んでABS]です。実の無いプライドは、身を滅ぼします。(ABS機能の設定されている年式のみ)
多少の損害は覚悟しましょう。
左側に柔らかい雪の壁があればラッキー!左に寄せ、こすりながら回避です。
緊急なら、硬い氷雪や、コンクリート壁でもこすれば、ブレーキになります。
それとも、前の車にぶつかって止まる?多重追突の心配は?
(どっちが経済的かは、自分で判断してください。加害者になれば、これまた・・・。)
見かけによらず、雪の壁は硬いものです。
たかをくくっていると、大破します。進入角にもよりますが、はね返されるときもあります。
周囲の状況をパニックになる前に把握していないと、最後の決断すら下せません。
ブレーキング以前に最悪事態の対処法を読みながら運転する。これが正解です。
−1℃〜ー4℃くらいが一番危険な気温です。地表面と928の外気温計、道路設備の気温表示には差があります。928の外気温計で+1℃〜−4.5℃くらいと思ってください。
このくらいが、タイヤの走行熱で凍結面とタイヤの間に入る水膜ができやすく、最も滑りやすいのです。
これ以下の気温になるとスタッドレスが面白いように効きます。というより、凍結面とタイヤの間に入る水膜がほとんど無くなり、摩擦抵抗が増えるのです。
最近のスタッドレスは前述の危険な温度域まで研究して開発され、年毎に性能がUPしています。
しかし、その性能と路面状況がかみ合わないと「信じられないほど滑る」のが現実です。
特に、雪道をあまり経験していない人にはその限界がわからず、「限界点とそれを超えたときを想定して走っている」雪道に慣れたドライバーと同じペースで走ると、突然のスリップとその後の回避能力不足による事故に直結します。自らの未熟を肝に銘じましょう。
航空機のパイロットの能力をあらわす目安のひとつに「飛行時間」があります。「積雪・凍結路運転時間」がはるかに違う運転者には想像以上に差があるのです。
雪道運転の基本原則「轍走行」。先行車のタイヤの跡をトレースしていくものですね。
良く滑る凍結路で、1.5t〜1.7tという車重の重い928では「轍走行」は自殺行為です。
特に、下り坂では1度滑り出したら止まりません。ABSも役に立ちません。
このような時、低速時であれば車を思いきって左に寄せ、凍っていない(磨かれていない)新雪等の柔らかめの雪を踏むようにします。(細かい凸凹等、硬くてもグリップする雪や氷は使えます)
場合によっては中央寄りや轍の間の雪も効果がありますが、道路の状況によっては対向車があなたに気づかなかったり、避けがたい状況になることも考えられます。安全の確信が持てるとき以外は左寄せが賢明です。
風雪・ガス(濃霧)等、視界の悪いときは絶対に中央に寄ってはいけません。道路の路肩を把握しにくい心理から、対向車が中央寄りに走行してくることが多いからです。大型車などが来ると、逃げられなくなる可能性があります。
幅の狭いタイヤを装着した日本車的感覚で、シャーベット状の積雪路をオーバースピードで走ると、実に良く滑ります。928の幅広タイヤは車重を支え、スタッドレスのサイフが水膜をカットしていく為にも重要な要素ですが、シャーベット状の雪では強力な浮力を生み出し、ハイドロプレーニングに似た状況(実際はもっと深刻)を作り出して、コントロール不能になることがあるのです。
対処法は、「事前の減速」あるのみです。
しかし万が一滑ったら、ハンドルはほとんど動かさず、ブレーキング。何もしないよりましです。へたにハンドルを動かすと思わぬ方向へ突っ込んだり、スピンしたりします。
カウンターステアに自信のある人も、シャーベットの積雪路で同一カーブや斜面(前後・左右)の傾きを経験していますか?雪道経験の少ない人は謙虚になることが大切です。
路面や積雪・凍結の状況が刻々変わる中・長距離の運転時、凍結路の緊張から解かれて、シャーベット状の積雪にほっとすることがあります。しかし、このような理由から、安易にスピードを上げてはいけません。
喫茶店やホテルのシャーベットは甘いけど、道路のシャーベットは「危険の味」です。
坂道で車がお尻を振ったり、思わぬ方向へ向かいかけたときカウンターステア(逆ハンドル)をきりますが、何せ雪道です。ジムカーナよろしくアクセルワークでコントロールすることはできません。しかし、低速・低回転でもアクセルワークとハンドリングは密接な関係があります。
登り坂でのアクセルとハンドリングの関係は、基本的に一般のFR車とあまり変わりません。車速を極力一定に近づけ、コーナーでの旋回がきつくならないようにします。
轍のあるところは、よほどのミラーバーンや固められて磨かれた圧雪になっていないかぎり、轍に沿って(タイヤを轍に入れて)進みます。時々路面に傾斜のついた立て溝状の凸凹があり、ハンドルが取られますが、轍をトレースするようにハンドルを保持します。
尻が横に流れるような時は、ほんの少しだけアクセルを緩めわずかだけスピードを落とすようにして、ハンドルを車体が向いた方向と逆方向に少しだけきりすぐに戻すことを繰り返します。
一旦車体が横を向きかけているときには、無造作にアクセルを踏んでも、急にアクセルをオフにしても、急なハンドル操作(方向関係無し)をしても、ブレーキを踏んでも、事態を深刻にするだけです。ほとんどの場合はスピンするか、完全に横を向いてしまったり、コースアウトしたりしてしまいます。周囲に余裕があれば、何もしないほうが良い事だってあります。
ただ、よほどスピードを出していない限りは、その前にスリップして進まなくなるので、(^^; 上り坂に関してはオーバースピードにならなければ大事にはいたりません。
下り坂はやっかいです。FR車は通常、登りに弱くても下りは後輪にエンジンブレーキが働くためコントロールしやすいのですが、滑りやすい下り坂では928の重い車重が影響して、FF車のような特性を見せることがあります。比較的低速でも重力と慣性が強く働き、後ろが滑るのです。FF車同様、急減速を避け、コーナーの侵入角もきつくならないように大回りを心がけましょう。道路幅、対向車、轍の状況、コーナーのRのきつさによって、事前に十分過ぎるほど減速しておくことが必要になります。
一旦滑り出したら、FF車と違い「分けのわからぬときはアクセルを踏め!」が通用しません!
左足ブレーキに習熟したひとならば、アクセルは少しだけ緩め(オフにしない!)左足でブレーキをやんわり踏みながら、カウンターを少しずつ当てては戻します。カウンターは、当てたらすぐに戻す感じでやらないと、すぐにスピンかコースアウトします。
(ま、カウンターを当てなきゃいけない時点で本来のコースから外れてる訳ですが・・・)
なれない人は、カウンターよりは逆カウンターを少しあてるほうがコントロールしやすい場合があります。
つまり、滑った方向にハンドルを切るわけです。グリップを回復させてから少しずつ軌道修正します。
いずれにしろ現場の総合的な状況によります。<当たり前か・・・(自爆)
ポルシェ乗りなら左足ブレーキぐらい使えなきゃね。911も928もMTもATも無い!
(・・・と、個人的に思います。はじめての人は日頃からゆっくり練習してね。)
雪道でスリップして坂道を登らない・・・。どうしよう??
可能であれば、「撤退!」が無難です。
しかし、緊急脱出的にもとりあえずこの坂を登らなくてはならない・・・、そんな時は、以下を参考にして下さい。
但し、周囲の状況や諸条件により当てはまらない場合もあります。
もう一度書きます。本当は「撤退!」が無難です。
スリップは警告サインです。強行すれば必ずリスクが伴ないます。冷静に判断しましょう。
まず、スリップがなぜ起こっているかを見極め、判断します。
磨かれた圧雪やアイスバーンがあれば、車から降りて歩いてみて、滑り具合を確かめ、グリップしそうなところを確認します。
たとえば、圧雪が原因であれば、圧雪以外の部分をタイヤが通るようにします。
車速を維持してスリップゾーンを通過してしまうようにします。通過時はアクセル・ハンドルは一定に、ブレーキは禁物です。
スリップを感じながら、強引に動かないところまで登ってしまうと前進も後退もできなくなるときがあります。最悪の場合、停止すら維持できず、ずるずると下がってしまいます。1、の項目に書いた確認作業は早めに実施するのが良いでしょう。
スタッドレスのサイフの効きを良くし、ジグザグにより登りの負担を軽くし、「ゆする」効果でグリップを得ます。
大変難しい技術で、ハンドルを切るタイミング・深さ・リズムをその時の状況に合わせ、アクセルのゆすり具合も大変微妙です。中途半端なトライは、即スピンです。
自信の無い人はやめましょう!(^^;
極端な勾配の坂でなければ、駆動輪に多くの重量がかかるようにすれば、グリップします。928のリアゲートを空け同乗者に腰掛けてもらうなどするだけでも脱出できることがかなりあります。軽い凍結路では有効です。
但し、積雪量の多い場合や積雪の下の道路が未舗装の場合は、圧雪であってもタイヤが路面を掘ってしまうため、この方法は使えません
砂撒きや、ムシロ・カーペットを敷くことで解決できる場合は以外に多いのですが、敷物を敷く場合、表の面に雪などがなるべくつかないようにしましょう。また、タイヤの雪もなるべく洗車ブラシ等で落としておかないと、敷物の上でスリップします。
ミラーバーンや、磨かれた圧雪では砂撒きが良く効きます。
(但し、気温等の条件にもよります。)
タイヤチェーンがある場合は、局部的なスリップであればチェーンを敷くことで脱出できる場合もあります。
(本来は、周囲の迷惑を考え、事前に予測してチェーンを巻くべきです。)
スコップやそれに代わるものがある場合、少し細かめに雪面を(氷結面を)カットします。それでもだめならグリップする路面を削り出します。タイヤの下まで削り込んでやるのがコツです。
スコップが無かったとき、登山用のピッケルでミラーバーンのカッティングをして脱出したことがあります。
深雪は要注意です。また轍の間の盛り上がりも同様です。
一時的な短い距離であればパワーと慣性に任せ、勢いで突破できますが、固まった雪であれば、岩にぶつかったのと同じダメージがあります。
また、フロントグリルやスポイラーから雪を吸い込むと、アンダーガード上に溜まった雪がアンダーガードを膨らませ、これがブレーキになり前進・後退が難しくなります。
放置すると、アンダーガードが割れ、破損します。
さらに、フロントショックの発熱を冷却するためにカウベル状のエアダクトがアンダーガード下に突き出ているため、これらが事態を深刻にすることもあります。
(これらはすべて経験済みです。(^^; )
当たり前ですね。スタッドレスつけてないのは問題外!シビアな路面にはチェーンです。
(「タイヤ&チェーン」の項参照)
深雪は要注意です。また轍の間の盛り上がりも同様です。
一時的な短い距離であればパワーと慣性に任せ、勢いで突破できますが、固まった雪であれば、岩にぶつかったのと同じダメージがあります。
また、フロントグリルやスポイラーから雪を吸い込むと、アンダーガード上に溜まった雪がアンダーガードを膨らませ、これがブレーキになり前進・後退が難しくなります。
放置すると、アンダーガードが割れ、破損します。
さらに、フロントショックの発熱を冷却するためにカウベル状のエアダクトがアンダーガード下に突き出ているため、これらが事態を深刻にすることもあります。
(これらはすべて経験済みです。(^^; )
928は見かけ以上に車高が低いことを「轍走行」していると思い知らされます。
一部の若い人が良くやる、通称「シャコタン」車や、軽四輪のかなり低い車高の車より低いことも多いのです。
特に轍を通過させることになる中央部には、重要な部品が集中しており、ディファレンシャルだけが出っ張っている国産車と同一にはできません。
見た目に車高の低い車や、軽四が通過しているからといって安心してはいけないのです。
車体各部へのダメージは、
どのような状態の道を
どのくらいの距離
どれくらいの速度で
どのくらいの時間
走行したのかによります。
悪条件の中、距離・速度・時間が長くなるほど、加速度的にダメージを受けます。
(前項「1、深雪と轍(わだち)」 参照)
逆に、一時的なものであればさほど神経質になる必要はありません。
雪道で車間距離とるのは当たり前ですよね。
でも、本当にとってます?どのくらいとってます?
「雪道ならこれだけの車間です。」とは言えません!
道路・路面・積雪や凍結・気温・路面温度・周囲の交通・・・その他、条件によって常に変化するからです。一般的により多くの車間を必要とするのは、下記のようになります。
登り坂より平地、平地より下り坂
広い道より狭い道、緩いカーブより急カーブ
正バンクより逆バンク、分離車線より対向車線 これが道路の条件
高温(2℃以上)より低温(1℃以下)
極低温(−5℃以下)より低温(−4℃〜1℃) おおまかな温度の条件
深雪よりザラメ、ザラメより緩い圧雪
緩い圧雪よりシャーベット
シャーベットより磨かれた圧雪
磨かれた圧雪よりアイスバーン 積雪・凍結の条件
アイスバーンよりミラーバーン (他の条件により変化あり)
低速走行中より高速走行中
トレッドやサイフの深いスタッドレスより浅いスタッドレス
新しいスタッドレスより古いスタッドレス 自分の車の条件
対向車なしよりありの時
後続車なしよりありの時
歩行者軽車両通行の可能性低いより高いとき
先行車両の挙動安定より挙動不審なとき 周囲の交通条件
視界良好より視界不良時
昼より夜
行きより帰り(目や身体の疲労) 視界・視野の条件
ここで、「こんな場合は○○mくらい・・・」と書く事はできません。
車間は自分の経験・技術と上で述べた条件との組み合わせで変わるため、安易に具体的数値を記載することは、読み方によってはかえって危険になることもありうるからです。
なお、下り坂の緩いカーブはスピードが出やすく、減速のタイミングを見誤ることが多く、大事故になりやすいシチュエーションです。特に気をつけて、コーナー進入前に十分減速しましょう。
「何の目安も無いではないか(-.-# 」 という方に大サービス
周囲の車の車間距離を参考に、それより少し多めにとる。
少しでも不安を感じたら、より慎重に多めの車間距離。
突発的な事故を(たとえば、先行車の事故、飛び出し等)回避できる余裕のある距離。
といったところでしょうか。