停止
止まりたいのに止まれない!これほど怖いことはありませんが・・・、はっきり言います。
雪道では、頻発します。 「雪道を走る=止まれない道を走ること」と思ってください。
ただ、「止まれない」にも条件と状況によって大きな差があります。
この「条件と状況」に適した「操作」を体験的に知ることで、「雪国」と呼ばれる地域の人は「必要に迫られて」条件の悪い道を運転しているのです。
特にこの項目で「自分には適性が無いな・・・」とか、「そんなことめんどくさい!」と思う人で、特に必要に迫られて雪道を走らなくて良く、頻繁に雪道に直面しない人は、自粛していただくのが懸命です。
自分の車が制御不能になることで、周囲の車をさらに避けがたい危険にさらすことになるからです。
雪道初心者の方は、この項目を読まれる際、「雪質の判断」の項目を事前に読み、さらにこの項目を読んでからもう一度読んでみてください。
「雪質の判断ミス」←「即事故」 限りなく近い関係です。
冷静になることです。
事故になっていない限り、まだ危険を避ける方法がある。ベストを尽くすことです。
ブレーキはペダルの「遊び」で操作する感覚!
急ブレーキは禁物!そんなことは誰だって知っています。じゃ、「その時」どうする?
感覚的な表現で申し訳ありませんが。ブレーキの「遊び」+αでブレーキングです。
928にはほとんど標準でABSがついていますが、この感覚をつかめば確実にABSより短距離で停止できます。
このように操作してもABSは時折「ギィ〜ッ」と働きますが、前方に危険の無いところで試すと、力いっぱい踏んでABS任せよりは予想以上の差が出ます。あきらめないことです。
エンジンブレーキは有効につかいましょう。よほどのことが無い限りDレンジ→3レンジは有効で、ほどよいエンブレになります。
2レンジは、習熟された方には良いのですが、車速やブレーキング等との関係で、2速から1速へ勝手にシフトダウンしてしまうことがあるので、初心者は使わないほうが賢明です。ちなみに、エンブレで車輪がロックした場合にABSは働きません(当たり前ですね。)
ブレーキ操作に自身の無い人、練習の機会の無い人は「踏み込んでABS]です。実の無いプライドは、身を滅ぼします。
多少の損害は覚悟しましょう。
左側に柔らかい雪の壁があればラッキー!左に寄せ、こすりながら回避です。
緊急なら、硬い氷雪や、コンクリート壁でもこすれば、ブレーキになります。
それとも、前の車にぶつかって止まる?多重追突の心配は?
(どっちが経済的かは、自分で判断してください。加害者になれば、これまた・・・。)
見かけによらず、雪の壁は硬いものです。
たかをくくっていると、大破します。進入角にもよりますが、はね返されるときもあります。
周囲の状況をパニックになる前に把握していないと、最後の決断すら下せません。
ブレーキング以前に最悪事態の対処法を読みながら運転する。これが正解です。
−1℃〜ー4℃くらいが一番危険な気温です。地表面と928の外気温計、道路設備の気温表示には差があります。928の外気温計で+1℃〜−4.5℃くらいと思ってください。
このくらいが、タイヤの走行熱で凍結面とタイヤの間に入る水膜ができやすく、最も滑りやすいのです。
これ以下の気温になるとスタッドレスが面白いように効きます。というより、凍結面とタイヤの間に入る水膜がほとんど無くなり、摩擦抵抗が増えるのです。
最近のスタッドレスは前述の危険な温度域まで研究して開発され、年毎に性能がUPしています。
しかし、その性能と路面状況がかみ合わないと「信じられないほど滑る」のが現実です。
特に、雪道をあまり経験していない人にはその限界がわからず、「限界点とそれを超えたときを想定して走っている」雪道に慣れたドライバーと同じペースで走ると、突然のスリップとその後の回避能力不足による事故に直結します。自らの未熟を肝に銘じましょう。
航空機のパイロットの能力をあらわす目安のひとつに「飛行時間」があります。「積雪・凍結路運転時間」がはるかに違う運転者には想像以上に差があるのです。
雪道運転の基本原則「轍走行」。先行車のタイヤの跡をトレースしていくものですね。
良く滑る凍結路で、1.5t〜1.7tという車重の重い928では「轍走行」は自殺行為です。
特に、下り坂では1度滑り出したら止まりません。ABSも役に立ちません。
このような時、低速時であれば車を思いきって左に寄せ、凍っていない(磨かれていない)新雪等の柔らかめの雪を踏むようにします。(細かい凸凹等、硬くてもグリップする雪や氷は使えます)
場合によっては中央寄りや轍の間の雪も効果がありますが、道路の状況によっては対向車があなたに気づかなかったり、避けがたい状況になることも考えられます。安全の確信が持てるとき以外は左寄せが賢明です。
風雪・ガス(濃霧)等、視界の悪いときは絶対に中央に寄ってはいけません。道路の路肩を把握しにくい心理から、対向車が中央寄りに走行してくることが多いからです。大型車などが来ると、逃げられなくなる可能性があります。
幅の狭いタイヤを装着した日本車的感覚で、シャーベット状の積雪路をオーバースピードで走ると、実に良く滑ります。928の幅広タイヤは車重を支え、スタッドレスのサイフが水膜をカットしていく為にも重要な要素ですが、シャーベット状の雪では強力な浮力を生み出し、ハイドロプレーニングに似た状況(実際はもっと深刻)を作り出して、コントロール不能になることがあるのです。
対処法は、「事前の減速」あるのみです。
しかし万が一滑ったら、ハンドルはほとんど動かさず、ブレーキング。何もしないよりましです。へたにハンドルを動かすと思わぬ方向へ突っ込んだり、スピンしたりします。
カウンターステアに自信のある人も、シャーベットの積雪路で同一カーブや斜面(前後・左右)の傾きを経験していますか?雪道経験の少ない人は謙虚になることが大切です。
路面や積雪・凍結の状況が刻々変わる中・長距離の運転時、凍結路の緊張から解かれて、シャーベット状の積雪にほっとすることがあります。しかし、このような理由から、安易にスピードを上げてはいけません。
喫茶店やホテルのシャーベットは甘いけど、道路のシャーベットは「危険の味」です。